では、同居でお願いします
唐突な直球ストレートの質問に、紀ノ川さんはハッと顔を上げるやたちまち真っ赤になり、ブンブンと激しく頭を上下に動かした。
(激し過ぎます! それじゃあパンクロックでも聴いている人みたいですよ!)
しかもなかなか止まらない。
大げさな身振りに笑ってしまいそうになるが、佐和乃さんは彼のそんな反応に満足したようにコクリと頷いた。
「今日は会ってくださりありがとうございました。私……やっぱり紀ノ川さんでなければ嫌だと気がついてしまいました。裕哉さんにはとても申し訳ないことをいたしました。けれど、子どもの頃からずっと側にいた彼のことがどうしても諦められませんでした。もし同じ気持ちで想ってくださっているのなら、どうか私の手を取ってくれませんか?」
佐和乃さんはそっと白魚のような美しい手をテーブルの上に差し出した。
瞬間、紀ノ川さんがすごい素早さで彼女の手を握りしめたが、慌てすぎてテーブルにあった水の入ったグラスに肘が当たり床に落ちて砕け散る。
ガシャーンと派手な音をさせ、水をぶちまけた途端に、紀ノ川さんは見事に真っ青になり立ち上がるなり、グラスに向かって頭を下げた。
「申し訳ありません! 割ってしまいました。お怪我はありませんか?」
「……誰に!?」
思わず私は突っ込んでしまった。
(激し過ぎます! それじゃあパンクロックでも聴いている人みたいですよ!)
しかもなかなか止まらない。
大げさな身振りに笑ってしまいそうになるが、佐和乃さんは彼のそんな反応に満足したようにコクリと頷いた。
「今日は会ってくださりありがとうございました。私……やっぱり紀ノ川さんでなければ嫌だと気がついてしまいました。裕哉さんにはとても申し訳ないことをいたしました。けれど、子どもの頃からずっと側にいた彼のことがどうしても諦められませんでした。もし同じ気持ちで想ってくださっているのなら、どうか私の手を取ってくれませんか?」
佐和乃さんはそっと白魚のような美しい手をテーブルの上に差し出した。
瞬間、紀ノ川さんがすごい素早さで彼女の手を握りしめたが、慌てすぎてテーブルにあった水の入ったグラスに肘が当たり床に落ちて砕け散る。
ガシャーンと派手な音をさせ、水をぶちまけた途端に、紀ノ川さんは見事に真っ青になり立ち上がるなり、グラスに向かって頭を下げた。
「申し訳ありません! 割ってしまいました。お怪我はありませんか?」
「……誰に!?」
思わず私は突っ込んでしまった。