では、同居でお願いします
裕哉は端正な目をスッと細めてから、軽く目をつぶる。

「あの会社のネット叩きは酷かったからね。まさか海音ちゃんがそこで働いていたなんてね。僕の秘書でよかったらうちで働かない? 希望はSEって書いているけど、今は経験者優遇で……」

目を開いた裕哉が、私の履歴書に視線を落としながら、いくらか申し訳なさそうに告げた。

その言葉にバッと顔を上げる。

「え!? 働かせてくれるの?」

「うん、秘書でいいなら……」

「いい! いいよ! 仕事もらえるなら、どんなことでもする!」

「本当に? 僕、結構厳しいよ?」

冗談交じりな笑みを浮かべたカッコイイ従兄弟に、私は迷うことなく頷いた。

「奴隷扱いでも構わないよ! 裕ちゃん、ありがとう!」



人間、簡単に口にしてはいけない言葉があるなんて、その時のウブな私は知る由もなかった……。
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