では、同居でお願いします
私の知らない彼女だから、どうか裕ちゃんを幸せにしてくださいと、そっと願うことしかできない。
私生活はダメダメな人だけど、どうぞ見捨てず幸せにしてあげてくださいね。
願いながら私は微笑んだ。
「でも、裕ちゃんが私の従兄弟っていうのは変わらないからね」
笑顔を作ってわざと明るく言ったのに、裕哉はいきなり私を抱きしめた。
「海音ちゃん、困ったことがあったらいつでもなんでも相談してくれたらいい。僕は海音ちゃんをいつだって助けたいと思ってるんだ」
涙が出そうになってしまった。
こんなに優しくしてくれるなんて、裕哉はやっぱり神様だ。
(私だけの神様だよ、裕ちゃん)
裕哉の腕は、私のいるべき場所ではないとわかっていたけれど、ほんの少しだけ許してくださいと、願いながらそっと瞳を閉じた。
神様、どうかお元気で。
四日後の土曜日、私は裕哉のマンションを後にした。