では、同居でお願いします
裕哉の部屋を出て一人暮らしを始めてから二週間が過ぎた。
仕事では変わらず裕哉と接することはもちろん多くて、最初は話しかけるのもいくらかぎこちなさがあったけれど、今はほとんど以前と変わりなく接することができるようになってきている。
会社から一人暮らしのマンションに帰ってきて着替え終え、ベッドに寝転がった私は、無機質な白い天井を見上げる。
「一人暮らし、慣れてきたな……」
独り言が多くなった。
高校を出てからは親友の美奈とルームシェアをしていたから、全くの一人暮らしは初めてだ。
シンとした部屋の寂しさに、始めはどうしても慣れなかった。
それに気がつけば裕哉のことが気になってばかりで、落ち着かなかった。
ご飯は? コーヒーは? 洗濯は? 着替えは?
部屋にいても足が勝手に裕哉のマンションに向かいたくなるほど気になっていたのに、二週間を過ぎて、ようやく少しだけ慣れてきた。
それでも一人分のご飯を作るのは味気なくて、つい簡単な夕食になってしまうことが多くなっていた。
「もう今日も作る気がしないな、コンビニで何か買ってこよう」
起き上がるや、財布だけをつかんでラフな格好のまま外に出る。