年下くんの電撃求愛
恥ずかしくて、両手で顔をおおう。
その手のひらに、キスがいくつも落ちてくる。
「……ほんっと可愛い」
鷹野くんの言葉は、魔法だ。
言葉も、手も、なにもかも。わたしは彼によって、可愛いものに作り替えられていく気がしてくる。
「……見せて」
本当に、魔法だ。
「もっと、可愛い顔、見せて」
「……っ、」
絶対に無理と思うのに、従わざるを、得なくなる。
泣きそうになりながらはずすと、すぐさまキスをされた。
すぐに離れ、また落ちてくる。やわらかく包むように、何度も何度も重ねられるキス。
やがて徐々に深くなり、鷹野くんの舌が、わたしのくちびるを割り開く。
それだけで腰がくだけてしまいそうになるのに、何度も差し入れられ、巻き取られるから、本当にもう、力が入らなくなってしまう。
なんで鷹野くんのキスは、こんなにも気持ちいいんだろう。
体も頭も、言うことをきかなくなってしまう。ふやふやととろかして、わたしから、制御の能力をうばう。
「んっ……あ……たかの、く……」
「……可愛い、透子」
切なげに呼ばれた名前に呼応するように、受け止めてばかりだった鷹野くんの舌に、ゆっくりと、自分の舌をからめる。
それに気づいた鷹野くんは、「……やばい」と笑みを含んだつぶやきを落とした。
そのつぶやき声はすこしかすれていて、わたしの理性を、また遠くに押しやる。
「たかの、くん……っ、」
途切れ途切れ、たくさん、名前を呼んだ。