年下くんの電撃求愛
口は、留め具をなくしたふたのようにかぱかぱと開いて、短い声が、とめどなくこぼれた。
恥ずかしいのに、止まらない。
腰がふるえる。底知れぬ快感におぼれないように、鷹野くんの腕につかまる。
「……好きだよ」
そのたびに、鷹野くんはわたしに愛をささやいた。
ものすごく切なげで、ものすごく幸せそうに、手のひらのやわらかい部分をつかって撫でながら、ひたいをくっつけながら、くちびるを舌先で舐め、かぶりつくように食べながら、告げた。
好きだ、透子、好きだ。
次々とこぼれる、余裕のない告白のあと、包むようでいて、すがるような腕が、わたしを強く抱きしめる。
快感に支配されながら、わたしは思う。
言葉も、優しさも、ときめきも。わたしはいつも、鷹野くんからもらってばかりだ。
鷹野くんはわたしをいじめるのも得意だけれど、それ以上にどっぷり甘やかすのが得意だから。彼はいろんな点で、わたしに甘すぎると思う。
甘えすぎてはいけないと思う。
それから、甘えなさすぎてもいけないと思うし、わたしも彼にとって、甘えられる存在になりたいと思う。
鷹野くんがわたしを好きになってくれたことは、きっと奇跡だ。
他にない奇跡を、大切にしたい。
変に不安がったり、独りよがりになったりしないで、この人を信じて、この人をずっと、大事にしたい。