年下くんの電撃求愛
⚫︎
⚪︎
鷹野司くん。
彼が入社してきたのは、今から2ヶ月とすこし前の、桜咲く4月のことだ。
鷹野くんの入社日。わたしたちは、指導する側と指導される側として、初対面を果たした。
『ご指導よろしくお願いします』
白い歯をのぞかせてから礼をしたーーそんな彼の第一印象は、まさに、“ 正統派の王子様 ”だった。
見目麗しくて、礼儀正しくて、真面目。
実際に業務が始まってからも、その印象は何一つ変わらなかった。
……それなのに、だ。
ここ数日で、その印象は、がらりと変わってしまった。
わたしは気づいてしまった。
本当の彼は策士で、わりとけっこう腹黒くて、なんだかとってもテクニシャンな一面を持つ男性だということに。
わたしは彼の、いろんな表情を見つけてしまった。
はりつけた営業スマイルではない、含みをもたせた笑みや、意地の悪い笑顔。
色香を存分にふくんだ、男の顔。怒りをはらんだ、切なげな顔。
わたしはとても混乱して、彼のことばかりを考えてしまって……そうしたら、見たことのないはずの、聞いたことのないはずのシーンを、頭の中で再現してしまうまでになった。
『……可愛いですよ、あなたは』
そう言ってわたしの頭を撫で、とても甘く、優しく微笑む顔。
……やばい、末期だ。妄想のいきすぎだ。
⚪︎
鷹野司くん。
彼が入社してきたのは、今から2ヶ月とすこし前の、桜咲く4月のことだ。
鷹野くんの入社日。わたしたちは、指導する側と指導される側として、初対面を果たした。
『ご指導よろしくお願いします』
白い歯をのぞかせてから礼をしたーーそんな彼の第一印象は、まさに、“ 正統派の王子様 ”だった。
見目麗しくて、礼儀正しくて、真面目。
実際に業務が始まってからも、その印象は何一つ変わらなかった。
……それなのに、だ。
ここ数日で、その印象は、がらりと変わってしまった。
わたしは気づいてしまった。
本当の彼は策士で、わりとけっこう腹黒くて、なんだかとってもテクニシャンな一面を持つ男性だということに。
わたしは彼の、いろんな表情を見つけてしまった。
はりつけた営業スマイルではない、含みをもたせた笑みや、意地の悪い笑顔。
色香を存分にふくんだ、男の顔。怒りをはらんだ、切なげな顔。
わたしはとても混乱して、彼のことばかりを考えてしまって……そうしたら、見たことのないはずの、聞いたことのないはずのシーンを、頭の中で再現してしまうまでになった。
『……可愛いですよ、あなたは』
そう言ってわたしの頭を撫で、とても甘く、優しく微笑む顔。
……やばい、末期だ。妄想のいきすぎだ。