年下くんの電撃求愛
⚫︎
⚪︎
午前7時半から9時まで。
朝の通勤ラッシュとされる時間帯でも、わたしの利用する電車は、いつも比較的すいている。
都心がある側と、逆方向に進むからだろうか。どういう理由にせよありがたいことで、わたしは毎日、楽に座席を確保することができる。
職場の最寄り駅につくまでの、20分間。
がったん、ごっとん。心地よい揺れに身をあずけるひとときは、これから仕事に向かう憂鬱さをやわらげてくれる、大切な時間……
……の、はずなのだけれど。
「ほんっとウザいよねー!!あの鬼ババアっ!!」
本日の車内。ひびいた一言が、わたしの安寧をぶちこわした。
出どころは、偶然同じ電車に乗り合わせていた、新人女性社員2名。
そして彼女たちが声高々に語っているのは、どうやらたぶん……わたしの悪口だと、思われるもので。
「書類の添削細かすぎるっつーの!!顧客の名前の漢字まちがえたくらいで怒ってくるしさぁー」
「ね!!山田が山本になってたくらいで、失礼にあたるとかってキレなくてもいいよねー!?」
「ほんっと融通きかないよねー!!しかもなにあの手抜きな髪型!昭和?」
「あははっ、女忘れてるよあれー。顔うっすいくせに、化粧っ気もないし!!」
わたしの存在にまったく気づいていない彼女たちの会話は、どんどんヒートアップしていく。
⚪︎
午前7時半から9時まで。
朝の通勤ラッシュとされる時間帯でも、わたしの利用する電車は、いつも比較的すいている。
都心がある側と、逆方向に進むからだろうか。どういう理由にせよありがたいことで、わたしは毎日、楽に座席を確保することができる。
職場の最寄り駅につくまでの、20分間。
がったん、ごっとん。心地よい揺れに身をあずけるひとときは、これから仕事に向かう憂鬱さをやわらげてくれる、大切な時間……
……の、はずなのだけれど。
「ほんっとウザいよねー!!あの鬼ババアっ!!」
本日の車内。ひびいた一言が、わたしの安寧をぶちこわした。
出どころは、偶然同じ電車に乗り合わせていた、新人女性社員2名。
そして彼女たちが声高々に語っているのは、どうやらたぶん……わたしの悪口だと、思われるもので。
「書類の添削細かすぎるっつーの!!顧客の名前の漢字まちがえたくらいで怒ってくるしさぁー」
「ね!!山田が山本になってたくらいで、失礼にあたるとかってキレなくてもいいよねー!?」
「ほんっと融通きかないよねー!!しかもなにあの手抜きな髪型!昭和?」
「あははっ、女忘れてるよあれー。顔うっすいくせに、化粧っ気もないし!!」
わたしの存在にまったく気づいていない彼女たちの会話は、どんどんヒートアップしていく。