年下くんの電撃求愛
熱を持ったひたいに、冷たさがしみていく。
配慮の行き届きっぷりに感激していると、鷹野くんが、とさりと軽い音を立てて、ベッド脇に腰を下ろした。
「……辛くないですか」
近い距離から心配そうに見下ろされ、わたしは少しどぎまぎしつつ、枕に頭をつけたまま、うなずいた。
「うん、だいぶまし……」
「……明日が休みで、本当に良かったです」
鷹野くんは安堵のため息をつき、わたしにやらわかくほほえみかける。
心配してもらっておいて不謹慎だけれど、わたしの胸は、申し訳なさ以外の理由で、きゅっと絞られてしまった。
「あの……ほんとにありがとう……」
仰向けになっていた体を、軽く鷹野くんの方に転がして、お礼を伝える。
「……ふ。それはもうたくさん聞きましたって」
「うん、でも、言い足りないっていうか……」
「言わなくていいですから、早く元気になってください」
「う……はい……」
「じゃないと俺が辛いです。今、本河さんの家にいて、ベッドに本河さんが寝てるのに手も出せないなんて、生殺しもいいところだ」
「……っ!!」
言葉を詰まらせると、鷹野くんはくすりと笑って、そっと、わたしのほおに触れた。
そして、長い指を器用に使って、顔にかかっていた髪をよけてくれる。
その感触が、すごく優しくて。ふいに心の栓がゆるんで、わたしはなんだか、泣きそうになってしまった。
「……鷹野、くん」
「はい?」
「あの……さっきは、変なことに巻き込んじゃって、ごめんね……」