黒薔薇
「僕とは、全然違う。もう話しかけられない。桜田さんに近づけない。スミレちゃんに近づけない。どうして。どうして。どうして。僕の方が桜田さんをスミレちゃんを何年も愛してたのに!!!」
驚いた。
これは、もう独り言とかの域じゃない。
「村田...?」
「ひどいよ...。長野くん。おんなじだと思ってたのに...。いじめられて怖かったけど、いつも君を見て思った…僕も頑張ろうって、耐えようって」
村田は涙を流した。
「君は人気者なのに僕はまだいじめられっ子!どうして僕だけ置いていくのさ!!!ひどいよ!!!」
「村田...」
村田は一生懸命に僕に思いを伝えた。
「ごめん...」
謝ると、いままで泣いていた村田の表情が変わった。