黒薔薇
キーンコーンカーンコーン
放課後、今日も桜田は学校にこなかった。
メールを送っても「大丈夫」「ありがとう」と具体的な内容は教えてくれなかった。
「長野、ばいばーい」
「うん。じゃーね」
いつもどうりにクラスのひとに挨拶して一人校門に向かう。
桜田はやっぱり相良くんと付き合っていたのかな。
だから相良くんが学校辞めて、元気ないのかな。
まさか、このまま桜田も辞めたりしないよね?
「はあ...」
ため息をついて門から出ようとした時だった。
「長野 智也くんだよね?」
話しかけられた。
あ...この人はこの前校舎にいた大学生だ。
「はい。」
「ちょっと、これから時間ある?」