黒薔薇
ふと、髪を風が撫でた。
”素敵だよ。長野くん”
そうだ。僕はあの笑顔があればいいんだ。
もう、前は見える。
「僕にとって桜田は....」
そうだよ。僕は桜田が桜田涼子のことが...
「この世で1番好きな人です」
自信をもって言い切った僕に柳沢がニヤリと笑った。
「原田。俺はもう刑事じゃねえ。取引したときのことを思い出せ。俺は俺のやり方でやる」
原田は呆れたように、ふうと息を吐くと
「ほんと、先輩にはかなわないんだから」