黒薔薇

お昼休み一緒に食べている雪乃達にまで、秘密で相良君のことを探るのは騙しているようでつらかった。





もっとつらかったのは、桜田が学校に来た日だ。




いつも通りのあの美しい微笑みで名前を呼ばれると、とてもつらかった。




あのノートを読んだ日から桜田はとても、もろい存在に見えた。





必死にポーカーフェイスを作る。




桜田が学校を休んだ日にはクレイムに行っているのかとか、相良君のそばにいるのかとかいろいろ考えてしまう。





柳沢さんと約束したのは、一週間後。




一週間後にまたあの喫茶店で、お互いの情報を交換し合ってその後の行動を決める。






地道にやっていくしかない。





長期戦になりそうだな。




卒業までには桜田を復讐から解放してあげたい。