黒薔薇
「ねえ。長野くん。黒薔薇はね、殺戮者なの。結局。悪は悪なのもう黒薔薇は白に決してなれないのよ」
桜田...?
「みんなと仲良くなれない黒薔薇は結局、みんな壊しちゃう。」
クスっといつもと同様に笑うと、ブレスレットから手を離した。
その手を、僕はぎゅっと握る。
「僕は黒薔薇が好きだよ。」
そうハッキリ言うと、またクスリと桜田は美しく笑った。
「ありがとう。長野くん」
なんだか、早い告白みたいになって慌てて桜田の手を離す。
キーンコーンカーンコーン
タイミングがいいのか悪いのか、チャイムが鳴った。
学校が終わった。