黒薔薇
笑いながら車を走らせること、三十分でREDについた。
REDの見た目は、ひどく汚れている。
よくわからない落書きがたくさんあるし、店の前はお酒の空瓶やタバコが散乱していた。
桜田...。
ここに君が...。
「実は中はもう確認済みなんだ。」
「え?」
原田さんが申し訳なさそうに言った。
「さすがに、僕ら三人だけで突入は危ないから。前に一回ここに警察がきてほとんどのメンバーはとらえたんだ」
でも...と、柳沢さんが引き継ぐ。
「そのメンバーの中に桜田と相良と他のメンバーは捕まっていない。やつらはいまここにいる。」
こくっと頷く。
ここにいる。
「何かあったら、すぐに警察が突入できるように手配はもうできているから...涼子ちゃんは長野くんが復讐から救い出してあげて」
原田さん...。