黒薔薇
デスクの上には、あらゆる麻薬の数。それとワイングラスに入った水がいくつか。
ソファーの周りには数人のクレイムメンバーであろう男たちが立っている。ただ一人座っているのは...相良晴彦。
「相良くん...」
圧倒的な存在感。他のクレイムメンバーさえも距離を置く存在らしく誰もそのソファーには座っていなかった。
僕がつぶやいたのを聞いて柳沢さんが言った。
「お前が相良か」
「ああ...」
相良くんは静かに答えた。
「あんたは柳沢だな」
相良君は、ゆっくりとした仕草で立ち上がった。
柳沢さんの目つきが鋭くなる。
「涼子から言われてる。もうすぐお前らが来るから丁重にもてなせってさ」
「桜田が...」