黒薔薇
「桜田。冬樹はもういないんだ!もうこんなことしても戻ってこない!」
「そうよっ。冬樹は殺されたの麻薬に!このクレイムに!だから私が復讐するの!お願い邪魔しないで」
桜田がポケットから大きめのナイフを取り出し振り上げた!
「おい長野!!」
焦った柳沢さんの声が聞こえた。
やっぱり僕じゃ桜田を止められないのか!
「涼子ーーーーー!!」
ぴたりと桜田の手が止まった。
この声は...
「雪乃...」
桜田がつぶやいて雪乃の姿を確認すると、手をおろした。
なんで雪乃がこんなところに
「うぐ!!」
柳沢さんはすでにボロボロで左肩と右足から結構な出血が見られた。
そして今は相良に馬乗りにされ鉄パイプで喉をつぶされそうになっている。
「オッサン!これで終わりだ!その喉からぶっ潰してやる」
「柳沢さん!」
っく。今、桜田の手を離すわけには
一瞬の出来事だった。
くちびるに柔らかいものが触れた。
それが桜田とのキスだとわかるのに数秒。
「...ごめんね。長野くん」
緩まった僕の手からあっという間に彼女はすり抜けて、柳沢さん達に向かった。