黒薔薇
ちゃりっ。
「……」
夕方になると、あの放課後を未だに思い出す。
桜田…。
「あいつのこと、まだ想ってるのか」
空を見つめながらブレスレットを触る僕に柳沢さんが聞いてくる。
「柳沢さん…。はい、僕は今でも桜田が好きです。」
「そうか…」
2人でしばらく無言になった
柳沢さんもあの事件を思い出しているのかな…
ガチャガチャ
扉が開いて、原田さんが大きなダンボール箱を重ねて持ってきた。
背が低い原田さんは、前が見えていないようで
「わわっ!」
よろめいている。
「原田さん、僕それ持ちます!」
原田さんと一緒にダンボールをデスクに置く。
中身を見ると、たくさんのプレゼントや手紙が入っていた。