黒薔薇
「これは…」
「てめぇ。またかよ。長野ぉ」
柳沢さんが中身を見ると呆れたように頭をかく。
「最近、また、増えたよね!長野くん宛のラブレター♡」
「ほんと、すいません…」
去年から始まった{イケメン警察特集}という雑誌で僕が先月表紙を飾ったきっかけで、ほぼ毎日プレゼントが届くのが日課になっていた。
「確かに、イケメンだもんねぇ。長野くん」
「そ、そんなっ」
柳沢さんは、ダンボールをガサガサ漁ってプレゼントのチョコレートを食べていた。
僕の名前入りチョコレートを容赦なくバリバリ食べている。
「あっ!そうだ。長野くん、これも君宛てだよ!はい」