黒薔薇
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お昼。







あの3人組にはもう会わないからわざわざ隠れる必要もない。








僕は控えめながらも堂々と屋上目指して廊下を進んだ。








村田も同じ気持ちらしく向かいの廊下から歩いてきた。







「あっ…長野くん。」






「おはよう。村田。購買いくの?」






村田は、ひょろひょろな僕とは対照的で背が小さく太っていてオマケに眼鏡だ。






漫画によく出てきそうなオタクのお手本のような村田は学校でもキモイことで有名。







「うん。購買いくんだ…。長野くんはまた屋上?僕も一緒に食べていいかな…」






「あ。…えぇっと…」







もしかしたら、桜田がいるかも知れないと思うとどうしてもハッキリ答えを言えない。







「も、もしかして、待ち合わせしてる?」





「待ち合わせはしてないんだけど…たまに食べる…かな〜」




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