黒薔薇
彼女の名前は、谷 雪乃。
僕のことなんて見向きもしないで桜田の手をつかむとぶんぶんと振った。
「もー!!ずっと探してたんだからねー!!」
ほっぺたをぷーっと、わざとらしい仕草をする雪乃にも余裕な笑顔で桜田は対応した。
「ごめんね。雪乃」
「むー!相良は涼子がいないとすぐ機嫌悪くなるし〜。イライラして学校で、すぐタバコ吸うから雪乃嫌なんだ〜!はやくきてよー!」
「うん。晴彦にやめるようにいうから」
晴彦…か…。
やっぱり、桜田は相良と付き合ってるんじゃないのかな…。
「じゃあね。長野くん」