黒薔薇




「そ、その...」





村田が、ちらちらと僕と桜田を交互に見る。






「...長野くんのお友達?」






いつも微笑んでいる桜田の顔が一瞬冷たい表情をした...ように見えたのは僕の気のせいだったようでやっぱり桜田は微笑をたたえていた。







「え、えっと...」






そこまで友達って断言するほどではないけれど、だからと言ってただの他人というわけでもない。








僕が回答に困っていると、村田が僕の手をグイとひっぱり、ぎゅっと握った。







「そう!と、友達だよ!ね?ね?長野くん」







びっしょりと汗ばんだ手で握られて驚きながら、思わずこくりとうなずいてしまった。








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