黒薔薇




ばしばしと背中をたたかれる。





「身長OK。顔OK。あとは筋肉つけるだけだな!」






「僕に筋肉...」






あははっとみんなで笑う。









髪の毛を切って更に世界が変わった。





友達ってこういう感じなんだ。






「そろそろホームルームじゃん?出席は取らなきゃ!じゃね涼子!長野!」






雪乃が元気よく走って行った。





教室に入ると、クラス中が僕を見て驚いた顔をしていた。





桜田が席につき僕も隣に座ると、さらにざわついた。







ホームルームが終わるとすぐに僕と桜田は囲まれる。






「うそ!ほんとに長野なの!?」



「超イケメンじゃん!」



「涼子と二人でここいい席じゃん!」






こんなことは初めてで隣を見ると桜田はただ僕をみて笑っていた。






「そ、そんなことないよ...」





僕が一言発するとみんなが耳を傾けた。





「あー!!やっぱり中身は長野だあ」



「ウケる!」



「ギャップ萌えってやつ?」





笑われたけど前の笑われ方とは違う。

楽しい笑いだ。






いつの間にか僕もみんなと同じく笑顔になっていた。









< 85 / 189 >

この作品をシェア

pagetop