黒薔薇
「俺はまだこいつから聞きたいことがある。原田。先に行け。あ、金はおいてけよ」
原田はセクハラしないでくださいとか、色々言い残して渋々いなくなった。
「さて、邪魔者はいなくなったな。桜田 涼子。いや...よくも右頬やってくれたなクソガキ」
そういうと、クスリと美しく笑った。
「こんにちは。刑事さん」
ちっ。やっぱりな。
「お前、まだ養護施設か?」
「違うよ。引き取り手が見つかったけれど、父親は出て行って母親は再婚したよ。」
また、壮絶な家庭だな。
「そうか...。」
「ところで刑事さん。クレイムのこと今追っているんだ?」
っち。やっぱり原田は馬鹿だ。
もうまわりにバレているじゃねーか。
「高校生...黒薔薇...。冬樹...」
「は?」
急に何言ってやがるんだ?
桜田は時計を見ると立ち上がった。
「もう行かないと。またね。刑事さん」