ブラックバカラをあなたへ
って、今の今まで忘れてたけど、この状況まずくない!?




一緒に食べるってなに!?




こいつら、皇夜の幹部たちだからね!?




関わらないって思ってたんだけど。




これ、接触してますよね。




関わっちゃってますよね!




なんか、自己紹介しなきゃいけない雰囲気だし!




「んじゃ、俺からな!前したと思うけどもう一回!」




時すでに遅し。




始まっちゃった…




「俺、皇夜の幹部の笹原結我!結我って呼んでくれ!よろしくなっ」




やっぱ、一番チャラいな。




その、金髪と笑顔が超絶眩しいっす!




「じゃあ、次は俺ね!名前は由来絵|《ゆきかい》滾!同じく幹部で、好きなことは、ゲーム!」




仲葉がピクッと反応する。




なるほど、ね。




仲葉があの時、優を思い出したのは滾のせいか。




容姿は似てないけど、声質、喋り方、背格好は似てるし、ゲーム好きも同じってなると…




そして、春実は春実で、滾と盛り上がってるし。




さっきまでの、あの態度はどこ行ったのよ。




その光景も、優が戻ってきたみたいなんだけれど。




昔も、こうやって盛り上がってたな。




「はいはい。春実さん、由来絵さん、盛り上がるのは後にして下さい。自己紹介はまだ終わってませんよ」




「「はーい」」




「じゃあ、順番的に次は僕かな?僕は、薙。この前言った通り、滾の弟。で、幹部。んー、趣味は、特にないかな。パッとしない人って思ってるかもしれないけど、よろしくね」




そう言ってニコッと笑う。




よかった。




まともな人がいた。




双子なのに、性格は全然違うんだね。




あぁ、でも、よく見れば見る程、綺麗なオッドアイだなぁ。




滾の方は、右目が黄色で、左目が空色。




薙はその逆。




本当に綺麗。




澄んでる瞳。




吸い込まれそう。




「えっと、僕の顔になにかついてるかな?」




「へ?……あっ!い、いや!なんでもないです!すみません…」




いかんいかん。




どれだけ見惚れてるのよ。




「じゃあ、次は咲満な!」




「はあ。西口咲満|《にしぐちさくま》です。副総長やってます」




あ、それだけですか。




こいつも、女が嫌いそう。




黒髪に眼鏡って、なんか仲葉に似ているような。




そんなこと言ったら、両方に怒られそうだけど。




で、最後は私の目の前に座ってる、あいつなんだけど。




全く口を開こうとしない。




あんたがしないと、次に進めないんですけど。




ジーと見てみるけど、まずこっちの方すら見てくれない。




「あの、最後あんたなんですけど」




「あ?」




あ?ですって!




せっかく声かけてあげたのに!




もう、なんなのあの態度!




「は、はーちゃん、落ち着いてね…?」




燈〜っ!




可愛いよぉ。癒されるよぉ〜。




「碧斗、名前だけでも言ってください。僕も言ったんですから」




咲満があいつに耳打ちをする。




「はぁ…神城碧斗|《かみしろあおと》。総長」




愛想の一つもないな。




顔は綺麗なのに、俺様でひねくれた性格で。




勿体無い。




「おい。そこのブス女。さっきから、俺の悪口ばっかり吐いてるだろ。顔に出てんだよ、ブス」




ブ、ブスぅぅぅ!?




こいつ、ブスって2回も言った!




いや、ブスなのはブスだけどさ、2回も言わなくてよくない!?




まぁ、悪口言ってたのは本当なんだけど…




シュンって私がなってると、燈がこの重苦しい空気をなんとかしようと、明るく自己紹介を始めた。
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