ブラックバカラをあなたへ
「あ、あの!私、立花燈って言います!元気だけが取り柄のバカですけど、よろしくです!」
へへへって笑う燈は、本当に可愛くて。
守ってあげたくなる。
背丈も、顔も小さくて、腕にすっぽりおさまりそう。
あ、でも、胸はでかいな。
一番、でかいな。
現実を突きつけられるよ。
私が燈と自分の胸を交互に見つめていると、バシッと仲葉に頭を叩かれる。
「い、痛いです…仲葉さん」
「比べてもないものはないんだから、そんなジーと見るのはやめなさい。気持ち悪いわ」
はい…
ですよねー。ないものはないですもんね…
「はいはい!次は私ね!湯口春実!好きなのはゲーム!滾ともっと話ししたい!」
おいおい。
関わらないに越したことがないでしょって言ってたの、どこのどいつよ。
自分から関わろうとしてるじゃん。
あと、同じゲーマーがいたからって、態度変わりすぎ。
どんだけハイテンションなのよ。
まぁ、悪いことではないのだけれど。
「では、次は私が。亜火紀|《あかき》優奈と言います。よろしくお願いします」
そう言って、深々と頭を下げる優奈。
家柄上、丁寧な喋り方だし、品格があるし、律儀。
こんな不良校にいるのが不思議。
「もしかして、亜火紀って、あの元財閥の亜火紀ですか?」
そう言って、眼鏡をくいっとあげて、少し身を乗り出しているのは、咲満って自己紹介した人。
さっきまで、興味なさそうな顔してたくせに。
「えぇ。今は解体されていますけどね」
「それでも、今でもすごい経済力を誇っていますよね?」
「どうでしょう。私は家のことはさっぱりなので…」
そう言って優奈は俯く。
優奈は家の話しをされるのが嫌いだ。
女だからという理由だけで、家族からぞんざいに扱われているらしい。
こんなにいい子を可愛がらないなんて、優奈の家族はどこか頭おかしいんじゃないの?
と、いつも思うけれど、それでも優奈は家族を大事にしているから何も言えない。
私は優奈が苦しそうにしていたから、仲葉に早く自己紹介って少し急かした。
「田邊仲葉。趣味は読書」
仲葉もそれだけかよ。
美人なのに、愛想がないとか、あいつと一緒で勿体無い。
さてと、最後は私ね。
「庭造院葉音です!んー。特に言うことはないかな!以上!」
あ、自分も短かった。
でも、言うことが本当に何もないからなー。
それにしても、庭造院って、私には似合わない苗字よね。
何年たっても好きになれない。
「庭造院って、あの、庭造院ですか?」
またあの咲満って奴が身を乗り出す。
「へ?あのって言われても、どのってなるんですけど」
「あなたのお父さんの名前は、庭造院八代|《やしろ》ですか?」
えっ、なんで、咲満がお父さんの名前知ってるの?
もしかして、指名手配犯とか!?
って、あの完璧超人のあの人に限ってそんなことあるはずないか…
「そうだけど。なんで知ってるの?」
「なんでって、有名人だからですよ。全国、いや世界にまでいくつもの会社をもっていて、大富豪とまで言われてるお人ですよ。知らないわけないでしょう?」
はぁ?
嘘でしょ。
そんなに有名人なの!?
あの人が?笑える。
あの人はただのサイコパスだって、こいつに教えてやりたい。
「でも、こんな人が庭造院家の娘だなんて。少し失望しました」
ちょ、それどういうこと!?
私に、品格がないってこと!?
いや、ないけどさ!
失望って、ひどくないですか!?
「まさか、ここで、大手企業の娘さん達に会えるなんて。まぁ、一人だけ、そうは見えない人がいますけどね」
嫌味ったらしく、咲満は私をジトっと見てくる。
すみませんね!普通の人で!
別に、私は表舞台に出ることがなかったからこんな性格でも大丈夫なんです!
まぁ、色々思うところはあったけれど、とりあえず全員の自己紹介が終わった。
へへへって笑う燈は、本当に可愛くて。
守ってあげたくなる。
背丈も、顔も小さくて、腕にすっぽりおさまりそう。
あ、でも、胸はでかいな。
一番、でかいな。
現実を突きつけられるよ。
私が燈と自分の胸を交互に見つめていると、バシッと仲葉に頭を叩かれる。
「い、痛いです…仲葉さん」
「比べてもないものはないんだから、そんなジーと見るのはやめなさい。気持ち悪いわ」
はい…
ですよねー。ないものはないですもんね…
「はいはい!次は私ね!湯口春実!好きなのはゲーム!滾ともっと話ししたい!」
おいおい。
関わらないに越したことがないでしょって言ってたの、どこのどいつよ。
自分から関わろうとしてるじゃん。
あと、同じゲーマーがいたからって、態度変わりすぎ。
どんだけハイテンションなのよ。
まぁ、悪いことではないのだけれど。
「では、次は私が。亜火紀|《あかき》優奈と言います。よろしくお願いします」
そう言って、深々と頭を下げる優奈。
家柄上、丁寧な喋り方だし、品格があるし、律儀。
こんな不良校にいるのが不思議。
「もしかして、亜火紀って、あの元財閥の亜火紀ですか?」
そう言って、眼鏡をくいっとあげて、少し身を乗り出しているのは、咲満って自己紹介した人。
さっきまで、興味なさそうな顔してたくせに。
「えぇ。今は解体されていますけどね」
「それでも、今でもすごい経済力を誇っていますよね?」
「どうでしょう。私は家のことはさっぱりなので…」
そう言って優奈は俯く。
優奈は家の話しをされるのが嫌いだ。
女だからという理由だけで、家族からぞんざいに扱われているらしい。
こんなにいい子を可愛がらないなんて、優奈の家族はどこか頭おかしいんじゃないの?
と、いつも思うけれど、それでも優奈は家族を大事にしているから何も言えない。
私は優奈が苦しそうにしていたから、仲葉に早く自己紹介って少し急かした。
「田邊仲葉。趣味は読書」
仲葉もそれだけかよ。
美人なのに、愛想がないとか、あいつと一緒で勿体無い。
さてと、最後は私ね。
「庭造院葉音です!んー。特に言うことはないかな!以上!」
あ、自分も短かった。
でも、言うことが本当に何もないからなー。
それにしても、庭造院って、私には似合わない苗字よね。
何年たっても好きになれない。
「庭造院って、あの、庭造院ですか?」
またあの咲満って奴が身を乗り出す。
「へ?あのって言われても、どのってなるんですけど」
「あなたのお父さんの名前は、庭造院八代|《やしろ》ですか?」
えっ、なんで、咲満がお父さんの名前知ってるの?
もしかして、指名手配犯とか!?
って、あの完璧超人のあの人に限ってそんなことあるはずないか…
「そうだけど。なんで知ってるの?」
「なんでって、有名人だからですよ。全国、いや世界にまでいくつもの会社をもっていて、大富豪とまで言われてるお人ですよ。知らないわけないでしょう?」
はぁ?
嘘でしょ。
そんなに有名人なの!?
あの人が?笑える。
あの人はただのサイコパスだって、こいつに教えてやりたい。
「でも、こんな人が庭造院家の娘だなんて。少し失望しました」
ちょ、それどういうこと!?
私に、品格がないってこと!?
いや、ないけどさ!
失望って、ひどくないですか!?
「まさか、ここで、大手企業の娘さん達に会えるなんて。まぁ、一人だけ、そうは見えない人がいますけどね」
嫌味ったらしく、咲満は私をジトっと見てくる。
すみませんね!普通の人で!
別に、私は表舞台に出ることがなかったからこんな性格でも大丈夫なんです!
まぁ、色々思うところはあったけれど、とりあえず全員の自己紹介が終わった。