ブラックバカラをあなたへ
碧斗side




今日は金曜日。




快晴だ。




俺らは屋上でサボるのが日課になってきた。




始業式の日は最悪だったが、それ以来、あいつらとは会ってねぇし、いつものような日常を送っていた。




でも、今日は違った。




今日もこのまま、屋上でダラダラしてるんだろうなって思っていたら、薙が何かを思い出したように、いきなり立ち上がった。




「ね、ねぇ、これ、覚えてるかな…?先代が言ってたことなんだけど。‘‘3階にある一番隅の空き教室で俺らは過ごしてるんだ”ってやつ…」




そういえば、そんなこと言っていたような…!




もう、2年ぐらい前のことだから、忘れていた。




「薙、よく覚えてたな!そこに行きゃ、もしかしたら、先代の大切な人達に会えるかもしんねぇ!早速、今から行こうぜ!」




滾の言ったことに、みんなで頷く。




これで、会えるかもしれない。




知れるかもしれない。




あの日の真実を。




俺らは、涼しい風に吹かれながら屋上を後にした。
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