ブラックバカラをあなたへ
外に出ると室内よりも肌寒くて身震いをする。




今日は気持ちのいいほどの快晴だ。




学校までの道を歩きながら空を見上げる。




青いなー。




なんて当たり前のことを思う。




けれど、それが特別なものに思えて。




私の頭の中を燻る。




私は空っぽのはずなのになぜか無性に泣きたくなった。




青なんて大嫌い。




「雨降ってくれないかな…」




そしたら、霞んで揺れてる視界もクリアになるのに…




数分歩くと目的の場所に着く。




でもそこは学校ではなく、公園なのだけれど。




公園の中にある一つのベンチ。




そこに座っている艶やかな黒髪ロングの女の子。




黒縁眼鏡をかけて本を読んでいる彼女は、本当に静寂が似合うと思う。




動作一つ一つが静かで。




ページをめくる時の紙と紙が擦れる音さえも無音だと錯覚してしまうほどに。




そんな彼女に声をかける。




「おはよ、仲葉|《なかは》！」




「おはよう」




いきなり話しかけたにも関わらずピクリとも動かない。




それに、返事も素っ気ない。




まぁ、それが仲葉なんだけど。




仲葉の隣に座るが、彼女は相変わらず本をから目を離さない。




あなたのそういうとこ嫌いじゃないけど。




少しは構ってほしいなー、なんて。




無理な話だろうけど。

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