ブラックバカラをあなたへ
狩りも終わって、倉庫へと戻った私達はみんなに潤ちゃんを紹介した。




そのあと、取り敢えず私専用の部屋へ案内する。




「ここ、自由に使っていいから」




「でも、葉音さんのお部屋じゃ…」




潤ちゃんはとっても可愛くて、優し子。




フワフワオーラが漂ってる。




「あぁ、別に私はあんま使わないから。気にしないで!」




「ありがとうございます…っ!」




こうやって、何度もペコペコするから、律儀な子だなとも思う。




持っていた荷物を部屋に置いて、幹部室に一緒に行く。




「ここが、幹部室ね」




部屋へ入ると、みんな定位置に座っていて、それぞれ好きなことをしていた。




「あの、この度は本当にありがとうございました!迷惑かけないように頑張りますので、改めて、よろしくお願いします!」




な、ななななんていい子なの‼︎




私、感動した!




「潤ちゃん!こっちこそよろしくね!」




ガシッと潤ちゃんの手を握る。




ちょっと自分でもキモいと思ってるけど、そんな私にも優しく微笑みをくれる彼女は本物の天使だ!




「葉音、気持ち悪いから離れなさい。ごめんなさいね、この子時々変だから。嫌な時は嫌って言っていいのよ」




さすが、仲葉。



ズバッとおっしゃる。




意外と胸に突き刺さります。




うぅ…




「私達は迷惑とか思わないから!取り敢えず座って?」




春実がさりげなく私を離して、潤ちゃんをソファに座らせる。




私も自分のイスへ座る。




みんなが揃ったということで、私達の話を始める。




「まず、私達が何者なのかっていうことなんだけど。私達はレディースをやってる。簡単に言うと暴走族の女版的な感じ」




そう聞いて、彼女は少し驚いた顔をするけど、すぐに真剣な顔に戻る。




私はそれを見て話を続ける。




「でも、潤ちゃんには怖い目にあってほしくないし、そんな目に遭わせることなんてできない。だから、夜は絶対ここにいること。まぁ、何人かは残ってるからその子達とお喋りでも、遊びでもなんでもしてていいよ!




勿論、家に帰りたくなったら、帰っていい。私達は縛りはしないから!




でも、ここに住むのはちょっとやめといた方がいいと思うから、住むのは私の家ね。そっちの方が送り迎えとか楽だからね!」




「え、葉音さんの家ですか…?」




驚く潤ちゃん。




「うん!ここね、お風呂がないから不便なんだよね。あ、私は一人暮らしだから遠慮なんかいらないから!それと、今から言うことが一番重要」




本当にいいのだろうか、とういうような目で私を見るが、私は別に気にせず、重要なことを述べる。




「私達がレディースであること、この5人が幹部であること、そしてこの場所は、決して口外しちゃダメ。これが守れるならいくらでもここにいていい」




「はい。必ずその約束守ります」




即答だった。




もう、さっきまでの戸惑いの目はなくて、彼女の目は落ち着いていた。




彼女は嘘をついていない。




私達は信じるからね。




あなたのこと。




だから、絶対裏切らないでね…
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