ブラックバカラをあなたへ
「たのもー!」




「うわっ!?なんだ!?って、燈か…他のみんなも。どうしたんだ?」




今、私達は学校一最強の知り合いに会いに来ている。




「いやーさ、ちょっとお願い事があって!」




春実っていつの間にか元気になるんだよね…




学校行く前はすごく眠そうなのに。




「ん?まぁ、お前らの頼みなら聞いてやらんこともないが」




この人は、先代の総長の彼氏で昔からの知り合い。




女癖が激しくて、いつも総長に怒られてた。




ま、総長一筋だから、今でもなんとか続いてるらしいけど。




「実は、訳あってこの子を保護してるんだよね。見ての通り、秀宴学園の子なんだけどさ、私達の学校に行きたいって言うから連れてきたの。だから、理事長のあなたの権限でどうにかならない?」




そう、学校一最強の知り合い…それは、理事長。




この人は、若いながらにその座についた。




理事長なら、なんとかできるはず。




「分かった。その代わり、ここに置いておくだけだから、授業は出すことはできない。つっても、サボる奴の方が多いけどな。あと、親とかに見つかったら、すぐ追い出すからな。それでもいいなら、ここにいてよし」




それを聞いて、潤ちゃんの顔がパァと明るくなる。




目もキラキラしてるし。




どうして、この学校にこだわるのかがイマイチ分からない。




「ありがとうございます!理事長!申し遅れました、私、桜坂潤と言います!よろしくお願いしますっ!」




まぁ、本人が嬉しそうだから良しとしますか。




私達は、失礼しましたと言って、理事長室を後にした。
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