ブラックバカラをあなたへ
今日はいつもより風が強いらしい。
彼女の長い髪が風になびく。
爽やかないい香りが私の鼻を刺激する。
その匂いは彼女のシャンプーの香りで。
まるで、春の匂いのようだった。
仲葉はずっと本を読んでいるため、私はスカートのポケットから携帯を取り出して、イヤホンを耳につける。
お気に入りの曲を選ぶ。
こんなゆるやかな時間でロックの曲を選ぶ私はどうかしてると自分でも思って、少し笑ってしまった。
目をつむって耳だけに集中させる。
やっぱり好きだなー、この曲。
最後のサビにさしかかろうとしている時、
「はーちゃん、なーちゃん、おはよー!」
そこまで小さくない音量で聴いていたはずだけれど。
ゆるふわカールのかかったツインテールをしている彼女の声は相当響く。
オレンジ色の髪が忙しなく跳ねる。
「燈|《あかり》、おはよー!」
私は音楽を一時停止にして、イヤホンを耳から外す。
静かな空気が耳に流れる。
それを止めたのは燈の後についてきていた黒髪ショートの子。
「燈、朝からうるさい…頭に響く」
機嫌悪そうに言う彼女が、くぁと欠伸をする。
「またゲームで夜更かししたんでしょ!」
ぷぅと燈の頬が膨らむ。
子供っぽいけれどそこがまた可愛い。
「葉音|《はのん》、仲葉おはよー」
眠そな目が私たちを捉える。
「おはよ、春実|《はるみ》!」
「あー!春ちゃん、燈のこと無視したー!ひどい!」
燈の頬が更に膨れる。
「だからうるさいってば。少しは大人しくできないわけ?」
「なんで春ちゃんはそんなことしか言えないの!?」
ギャイギャイと燈と春実の喧嘩が始まる。
いつものことなのだけれど。
春実と燈は昔からの腐れ縁らしく、私と出会う前から2人は一緒にいた。
勿論、その時からこの調子だ。
寝不足じゃない日なんてないぐらいの春実にとって、燈の高くて大きい声は彼女をいつもイライラさせる。
なんというか、2人ともお気の毒に…という感じだ。
まあ、それでもずっと一緒にいるのだから本当は仲はいい。
喧嘩するほどなんとやらだ。
彼女の長い髪が風になびく。
爽やかないい香りが私の鼻を刺激する。
その匂いは彼女のシャンプーの香りで。
まるで、春の匂いのようだった。
仲葉はずっと本を読んでいるため、私はスカートのポケットから携帯を取り出して、イヤホンを耳につける。
お気に入りの曲を選ぶ。
こんなゆるやかな時間でロックの曲を選ぶ私はどうかしてると自分でも思って、少し笑ってしまった。
目をつむって耳だけに集中させる。
やっぱり好きだなー、この曲。
最後のサビにさしかかろうとしている時、
「はーちゃん、なーちゃん、おはよー!」
そこまで小さくない音量で聴いていたはずだけれど。
ゆるふわカールのかかったツインテールをしている彼女の声は相当響く。
オレンジ色の髪が忙しなく跳ねる。
「燈|《あかり》、おはよー!」
私は音楽を一時停止にして、イヤホンを耳から外す。
静かな空気が耳に流れる。
それを止めたのは燈の後についてきていた黒髪ショートの子。
「燈、朝からうるさい…頭に響く」
機嫌悪そうに言う彼女が、くぁと欠伸をする。
「またゲームで夜更かししたんでしょ!」
ぷぅと燈の頬が膨らむ。
子供っぽいけれどそこがまた可愛い。
「葉音|《はのん》、仲葉おはよー」
眠そな目が私たちを捉える。
「おはよ、春実|《はるみ》!」
「あー!春ちゃん、燈のこと無視したー!ひどい!」
燈の頬が更に膨れる。
「だからうるさいってば。少しは大人しくできないわけ?」
「なんで春ちゃんはそんなことしか言えないの!?」
ギャイギャイと燈と春実の喧嘩が始まる。
いつものことなのだけれど。
春実と燈は昔からの腐れ縁らしく、私と出会う前から2人は一緒にいた。
勿論、その時からこの調子だ。
寝不足じゃない日なんてないぐらいの春実にとって、燈の高くて大きい声は彼女をいつもイライラさせる。
なんというか、2人ともお気の毒に…という感じだ。
まあ、それでもずっと一緒にいるのだから本当は仲はいい。
喧嘩するほどなんとやらだ。