ブラックバカラをあなたへ
数十分、ずっと仲葉と戦って、少し疲れてきた頃…




教室のドアが開く。




その瞬間、私達は止まって自分の席へと戻る。




だって、こんなところあいつらに見られて、子供だなとか言われたらムカつくし、恥ずかしいし。




だから、何事もなかったようにいつもどおりの風景と変わる。




教室に皇夜が来るようになって、時々空き教室の取り合いや、領域争いを繰り広げている。




実は、私と春実、碧斗と咲満が勝手にやってるだけなのだけれど。




それに、両方とも引くわけにはいかないため、毎回決着はつかない。




「あれ?今日は知らない子がいるね」




薙の言葉で、そういえばと思い出す。




「潤ちゃんにこいつらのこと話してなかったね」




潤ちゃんは、はいと言うと、首をかしげる。




「こいつらは、暴走族の皇夜の幹部達。害はないと思うから、気にすることはないけど、何かされたらすぐ言ってね。私達がボコしてあげるから!」




最後はハートがつくぐらい嫌味ったらしく言ってやった。




ま、本当に何かしたならボコすだけじゃ済まさないけど。




「えっと、初めまして。由来絵薙です。あ、僕達は何もしないから、安心してね!」




「初めまして!昨日、葉音さん達に拾ってもらい、お世話になってます、桜坂潤です!」




あれ?潤ちゃん、また目が輝いてる?




気のせいかなー…




まさか、暴走族に憧れてるとか、言わない…よね?




「私、暴走族の人達に憧れてたんです!まさか、会えるなんて!光栄です!」




やっぱり!!




握手なんて求めちゃってるよ!




ちょっとみんな引いちゃってるよ!




「葉音、面白い子拾ってきたねー!」




大きく口を開けて笑う結我。




お前だけだよ、笑ってるくれる人は。




笑いがおさまったのか、結我が自己紹介をする。




それに続いて滾も。




それに続いて…なんて、考えられないため、自分でやらない某2名を私がしてあげる。




もちろん、ちょっと悪口もいれてあげた。




潤ちゃんは終始目を輝かせたままだった。




紹介が終わって、潤ちゃんが優奈たちの所へ戻る。




優奈と燈、そのグループに結我と薙が加わっていて、でも持ち前の明るさで潤ちゃんはすぐ打ち解けていた。




私も、仲葉との携帯の取り合いが終わり、暇になったため、イヤホンをつけて、寝る体制に入った。
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