ブラックバカラをあなたへ
その日、潤ちゃんと私は、自室で一緒に眠った。




泣き疲れた潤ちゃんが寝息を立てたのは、ベッドに入ってすぐの事だった。




明日、潤ちゃん、寝坊しないかな?




したらしたで、慌てた潤ちゃんも可愛いだろうな。




なんて、彼女の寝顔を見ながらそう思った。




って、なんか私、変態みたい。




と、今更なことを思ってみたり。




「ねえ、雅伊斗」




私は伏せてある写真立てを見つめる。




「私、また、大切な子が出来たよ」




あの写真の二人を思い出す。




「守れるように、強くならなきゃね」




幸せそうな二人の笑顔。




守れなかった、あなたの笑顔。
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