ブラックバカラをあなたへ
燈と春美の言い合いを優奈が注意する。
学校に着くまでそのやり取りは続いていた。
校門を抜けた先の校庭は、大勢の生徒で賑わっていた。
あと10分ぐらいで予鈴が鳴るというのに。
あちこちで「クラスどうだった?」と言う声が聞こえてくる。
大体の人はクラス表を見たのだろう。
掲示板の周りにはあまり人はいなかった。
おかげでとても見やすい。
自分の名前を探す。
”庭造院 葉音”|《ていぞういん》
「あった」
ポツリと呟けば、真っ先に燈が食いつく。
「はーちゃんは、やっぱりAクラス?」
「あったりまえー」
「だよねー…学年1位ですもんね…」
そう言う燈は多分、またCクラスなのだろう。
私たちの学校は不良ばかりが集まるくせに成績重視。
不思議でならないが、おかげでサボってもテストの点がよければ留年にはならないのでこの学校に来て良かったと思う。
これもまぁ、不思議な話なのだけれど。
成績重視だからなのかは知らないが、クラス分けは成績で決まる。
上はAクラス、下はEクラス。
燈のいるCクラスが平均というところか。
燈は多分私達の中で一、二番ぐらいに勉強を頑張ってると思う。
それなのになぜかいつも平均。
ある意味才能だと私は思う。
「みなさん、そろそろ予鈴が鳴るので急ぎましょう」
優奈がそう言って校舎に向かう。
3階で廊下を渡ろうとするが、3年の教室は4階にあるのを思い出し階段をまた登る。
私と仲葉、優奈はAクラスへ。
春実はBクラス、燈はCクラスへとそれぞれ入っていく。
きっとどこも教室の作りは同じなのに、どこか違うような気がする。
新鮮と言えば新鮮なのだけれど、違和感の方が合っていると思う。
そんなことを思いながら、自分の席を確認するため黒板を見る。
窓際から二列目の一番後ろ。
去年も、一昨年もこの席だった。
見たところクラスのメンツもそう変わっていないようだ。
自分の席に座って、イヤホンをつける。
隣の人は鞄があるから来ているらしいが、座ってはいない。
おかげで邪魔がなく空を見ることができる。
本当は見たくもない。
大嫌いな青い空。
それでも吸い込まれてしまうのだから、これは自分が思うよりも重症だなと思う。
ああ。
爽やかな彼の笑顔は、こんな空に相応しい。
この空は彼のためにあったのだ。
そう思った。
学校に着くまでそのやり取りは続いていた。
校門を抜けた先の校庭は、大勢の生徒で賑わっていた。
あと10分ぐらいで予鈴が鳴るというのに。
あちこちで「クラスどうだった?」と言う声が聞こえてくる。
大体の人はクラス表を見たのだろう。
掲示板の周りにはあまり人はいなかった。
おかげでとても見やすい。
自分の名前を探す。
”庭造院 葉音”|《ていぞういん》
「あった」
ポツリと呟けば、真っ先に燈が食いつく。
「はーちゃんは、やっぱりAクラス?」
「あったりまえー」
「だよねー…学年1位ですもんね…」
そう言う燈は多分、またCクラスなのだろう。
私たちの学校は不良ばかりが集まるくせに成績重視。
不思議でならないが、おかげでサボってもテストの点がよければ留年にはならないのでこの学校に来て良かったと思う。
これもまぁ、不思議な話なのだけれど。
成績重視だからなのかは知らないが、クラス分けは成績で決まる。
上はAクラス、下はEクラス。
燈のいるCクラスが平均というところか。
燈は多分私達の中で一、二番ぐらいに勉強を頑張ってると思う。
それなのになぜかいつも平均。
ある意味才能だと私は思う。
「みなさん、そろそろ予鈴が鳴るので急ぎましょう」
優奈がそう言って校舎に向かう。
3階で廊下を渡ろうとするが、3年の教室は4階にあるのを思い出し階段をまた登る。
私と仲葉、優奈はAクラスへ。
春実はBクラス、燈はCクラスへとそれぞれ入っていく。
きっとどこも教室の作りは同じなのに、どこか違うような気がする。
新鮮と言えば新鮮なのだけれど、違和感の方が合っていると思う。
そんなことを思いながら、自分の席を確認するため黒板を見る。
窓際から二列目の一番後ろ。
去年も、一昨年もこの席だった。
見たところクラスのメンツもそう変わっていないようだ。
自分の席に座って、イヤホンをつける。
隣の人は鞄があるから来ているらしいが、座ってはいない。
おかげで邪魔がなく空を見ることができる。
本当は見たくもない。
大嫌いな青い空。
それでも吸い込まれてしまうのだから、これは自分が思うよりも重症だなと思う。
ああ。
爽やかな彼の笑顔は、こんな空に相応しい。
この空は彼のためにあったのだ。
そう思った。