ブラックバカラをあなたへ
でも、彼はいないの。




どこにもいないの。




だから。




ねぇ。




消えてよ。




そんな青消えてしまえばいい。




太陽が眩しい。




存在を強調しているように。




鬱陶しい。




イライラする。




あなたのせいで余計に青さが強調されるのよ。




太陽なんて、青空なんて、薄黒い雲で全て覆い尽くされればいいのに。




予鈴が鳴る。




その音にハッとする。




見せないでよって頭の中で繰り返していたけれど、私が見なければいいだけの話。




そんな単純なことも分からないなんて。




本当に




「笑えるわね」




なんて、本当は分かっているのだろうけれど。




気づかないフリをして、私は静かに笑う。




ふと時計を見ると、まだ予鈴が鳴って1分も経っていなかった。




と言っても、始業のチャイムが鳴るのはあと5分後。




そうしたらSHLが始まる。




始業式は流石に出とくか。




そう思っていたけれど。




それは諦めることとなる。
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