ブラックバカラをあなたへ
約束の日。




私たちは、ナイトプールが開催されているホテルへと来ていた。




皇夜の5人は先に遊んでいると、燈に連絡が来ていた。




あの2人には、結我が、スペシャルゲストが来るよとだけ言ったらしい。




ゲストが私たちって知ったら、あの2人は暴走しそう。




近い未来に、ホトホトと呆れた。




とりあえず、私たちも水着に着替える。




1年ぶりの水着で、少し恥ずかしいけれど、一足先に着替え終わった私は、脱衣所の外に出て、みんなを待った。




少しして、ずぐにみんなもやって来て、




「わぁ…」




私は、みんなの水着姿を見て感嘆の声を上げた。




仲葉は黒のワンピースビキニで、胸元にリボンがついている。




いつもは眼鏡だが、コンタクトにしていて、髪もお団子で、いつもより大人っぽく見えた。




優奈は、対照的に真っ白なビキニで、とにかく綺麗の一言だ。




やはりビキニだからか、スタイルの良さが際立っていた。




燈は、ピンク色のフリルがあしらわれたビキニで、燈らしいと思った。




愛らしさも倍増している。




春美は、花の模様が描かれたハイネックビキニを着ている。




誰よりも不健康そうな春美を、健康的に見せていて、普段以上にかっこよくなっていた。




「やばい…みんな可愛すぎるでしょ。男に連れ去られないか、すごい心配になってきた。今からでも遅くないから、帰ろう」




「葉音、落ち着きなさい」




みんなの可愛さのせいで錯乱する私の頬を、仲葉がつねる。




「いひゃいよ~」




そう言うと、仲葉が放してくれた。




私は、赤くなったであろう頬をさする。




「はーちゃんもすっごい可愛いよ!」




仲葉にほっぺつねられて、涙目で不細工顔を晒してる私を可愛いとか言うなんて…




燈はそれほどまでにバカだったのか。




「燈さんの言う通り、葉音さんもとってもお綺麗ですわ」




そう言って、優奈が微笑むものだから、私の頭が可笑しいのかと思い出した。




そんな私はオフショルビキニを着ていた。




上はチェックの柄で、下は黒の無地。




子供すぎず、けれども、背伸びもしすぎない程度の水着を選んだ。




水着は可愛いけど、私が着ても水着の魅力は伝わらないだろう。




「やっぱ葉音って、なんでも似合うんだなー」




春美のその言葉に、私は一瞬思考を手放した。




ここって、もしかして夢の世界?




なんて、現実味のないことまで頭に思い浮かんだ。




「そうね。胸はそこそこだけど、スタイルもいいし、似合っていわるね」




「仲葉、それって褒めてるの…?」




「あら、誉め言葉よ」




なら、一言余計な気がする…




そう思ったけど、口には出さないでおいた。




仲葉が褒めるなんて滅多にないことだし、気にしないでおこう。




それより、そろそろ行かなきゃ。




私たちは、プールの方へと足を進めた。
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