ブラックバカラをあなたへ
きっと、今の私は百面相みたいになっているだろう。




一人で悶々と考えていると、頭がパンクしそうだった。




「まあまあ、そんな冷たいことは言わずにさ。みんなで楽しもうよ」




薙が優しい笑顔で、2人を説得しようとする。




しかし、それさえも効かないのか、まだ文句を言いたそうにしている碧斗に、薙が何やら耳打ちすると、渋々といった顔で何かを了承した。




「はぁ…今回はこっちから誘ったみてぇだから仕方ないが、次同じようなことしたら、お前らも、結我も滾も薙もただじゃおかねぇからな」




碧斗が私たちと、3人を牽制するように睨みつけると、どこかへと去っていった。




薙、何を言ったの…?




さっきまで、怒ってたあいつが引くなんて、考えられない。




薙って、案外侮れないやつなのかも。




「さ、これで碧斗の了承も得られたし、みんなで遊ぼう!」




薙の笑顔は、いつもと変わらないはずなのに、どこか寒気を感じた。




その後、携帯をいじりだした咲満はおいて、みんなでプールに入った。




可愛い浮き輪などが貸出可能で、それに乗って写真を撮ったり、ボールを投げあったり、プールの中でジュースを飲んだり。




私たちは作戦のことなんか忘れて、普通に楽しんでしまっていた。




それにふと気づいたのは、かれこれ2時間後ぐらいで、しまったと思ったけれど、こんなに楽しそうにしているみんなを見ていると、これはこれでいいやと思ってしまった。




まあ、まだ時間はあるしね。




でも、碧斗と咲満がいない今が絶好のタイミングであることも間違いない。




それに、今している会話は学校の話だし。




今しかない!
< 85 / 106 >

この作品をシェア

pagetop