ブラックバカラをあなたへ
あの日を思い出しては、ずっと悔やんでいた。




なんで、あいつらなんかに捕まったの。




なんで、私達を助けに来たの。




なんで、私は彼のこと好きになっちゃったんだろう。




なんで、なんで、私達は彼らに出会ってしまったの?




多くのなんでと、もう遅い。




そんな声が私の頭をかき乱す。




分かってるのに、気づいたらそんなことばかり考えて。




永遠の罪を私達で裁くことはできない。




誰か、私達を裁いてほしい。




なんて、自分勝手な考えを持ってしまう私が大嫌い。




あの時、彼らが来なかったら、本当は私が死んでたのかな?




そっちの方が良かったのかも。




誰も悲しまずに済んだはずなのに。




彼らの死は、新たな皇にまで影響を及ばした。




私がいたら、また、別の誰かを傷つけてしまうのかもしれない。




それだけは、いやだなぁ…




冷たい何かが頬をつたった気がした。




「もう!みんな泣かないでよ!!私達に泣くことなんて許されないんだから…」




春実が叫ぶ。




「泣いてなんか、ないもん…」




そう言って、燈はゴシゴシと目元をこする。




みんな、目が赤い。




泣くことを我慢してる。




この苦しみから逃げることはできない。




苦しみながら、人生に後悔しながら生きていくことが私達の償い。




私はそう思ってる。




きっと、彼らは許してくれないだろう。




私達が泣くことも、幸せそうに笑うことも。
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