スペル
「哀れな…。」
デューイの一撃が決まったと思った次の瞬間、アインの背の方にドサッと音をたてて、デューイの持っていた剣と腕が飛んできた。
アイン「えっ…?」
リスベール「デューイ!?いやぁ!!」
それに気づいたリスベールが悲鳴を上げる。黒の壁と金の壁はいつの間にか消えていた。デューイは空高く飛ばされ、地面に叩きつけられてそのまま動かなくなった。
リスベール「デューイ!デューイ…!!」
駆け寄ったリスベールが涙を浮かべながら、デューイの名前を呼び、体をゆする。しかし、反応はない。ちぎれた右腕からは血がどくどくと溢れていた。
アイン「こ…こんな…こんなことって…。」
リスベール「……デューイ…。」
リスベールのつぶやきが漏れた。
壁の迫ってきていた方からガチャガチャという鎧の音とドスン、ドスン、という足音が聞こえてきた。
リスベール「…貴様…。貴様ぁぁ!!」
アイン「リスベールさん!落ち着いて!このまま突っ込んでも勝ち目は…」
リスベール「うるさい!」
リスベールはアインの意見を一蹴すると、腰から剣を抜き、走り出した。と同時に、黒い甲冑が姿を現した。見ると右手の手甲だけが、紫に輝いていた。
黒甲冑の男「重力のスキル,チェンジグラビティだ。」
黒甲冑の男はそう呟き、右手を前に出し、左手に剣を握った。リスベールが男の元へとたどり着き、斜めに切りかかる。
リスベール「うぁぁぁ!!お前はぁぁぁ!!」
黒甲冑の男「憐れだな、女。魔王軍の将軍である俺に勝てるわけがなかろう。万物を引き寄せ、弾き飛ばせ。スキル・チェンジグラビティ。」
黒甲冑の男は左手の剣でリスベールの攻撃をすべていなしながら、右手を振りかざし、唱えた。瞬間、リスベールの体が黒甲冑の男の方へ引きずられるように近づき、近づいた瞬間ぶっ飛ばされた。
リスベール「がふっ…」
リスベールもまた、地面に叩き付けられる。黒甲冑の男はリスベールには目もくれず、ノシッノシッとアインの方へ向かって歩いてきた。
アイン「く、来るな…!来るなよぉ!!」
アインが後ずさりする。男は無言でどんどん近づいてくる。
アイン「うぁぁぁ!」
アインは腰が抜けてしまい、立ち上がれずにただ、ズリズリと後ろに下がることしか出来なかった。カランッと不意に、右手にあの剣が当たる。アインはそれを握って振り回し、なおも後ずさりした。男は立ち止まり、剣を指さした。
黒甲冑の男「それを寄越せ。そうすれば見逃してやる。女は殺すがな。」
アイン「っ…!(これを渡せば…生き残れるのか…?だけど…でも…!これを渡したら…。)」
黒甲冑の男「どうした、早く寄越せ。俺の気が変わらぬうちにな。」
男がなおも催促するが、アインはそれには答えなかった。黒甲冑の男は剣を握り、さらに聞いてきた。
黒甲冑の男「貴様…死にたいのか?早くそれを渡せ。殺すぞ。」
アイン「い…いやだ…。」
黒甲冑の男「なんだと?今貴様、なんといった
?」
男の質問に、アインは叫んで答えた。。
アイン「嫌だ!!」
声と同時にヒュンッと短剣が飛んできて、黒甲冑の男の首に、刺さった。
「よく……言った…。リスベールのことは…任せるぞ…アイン。」
それを投げたのは、倒れていたはずのデューイだった。
デューイの一撃が決まったと思った次の瞬間、アインの背の方にドサッと音をたてて、デューイの持っていた剣と腕が飛んできた。
アイン「えっ…?」
リスベール「デューイ!?いやぁ!!」
それに気づいたリスベールが悲鳴を上げる。黒の壁と金の壁はいつの間にか消えていた。デューイは空高く飛ばされ、地面に叩きつけられてそのまま動かなくなった。
リスベール「デューイ!デューイ…!!」
駆け寄ったリスベールが涙を浮かべながら、デューイの名前を呼び、体をゆする。しかし、反応はない。ちぎれた右腕からは血がどくどくと溢れていた。
アイン「こ…こんな…こんなことって…。」
リスベール「……デューイ…。」
リスベールのつぶやきが漏れた。
壁の迫ってきていた方からガチャガチャという鎧の音とドスン、ドスン、という足音が聞こえてきた。
リスベール「…貴様…。貴様ぁぁ!!」
アイン「リスベールさん!落ち着いて!このまま突っ込んでも勝ち目は…」
リスベール「うるさい!」
リスベールはアインの意見を一蹴すると、腰から剣を抜き、走り出した。と同時に、黒い甲冑が姿を現した。見ると右手の手甲だけが、紫に輝いていた。
黒甲冑の男「重力のスキル,チェンジグラビティだ。」
黒甲冑の男はそう呟き、右手を前に出し、左手に剣を握った。リスベールが男の元へとたどり着き、斜めに切りかかる。
リスベール「うぁぁぁ!!お前はぁぁぁ!!」
黒甲冑の男「憐れだな、女。魔王軍の将軍である俺に勝てるわけがなかろう。万物を引き寄せ、弾き飛ばせ。スキル・チェンジグラビティ。」
黒甲冑の男は左手の剣でリスベールの攻撃をすべていなしながら、右手を振りかざし、唱えた。瞬間、リスベールの体が黒甲冑の男の方へ引きずられるように近づき、近づいた瞬間ぶっ飛ばされた。
リスベール「がふっ…」
リスベールもまた、地面に叩き付けられる。黒甲冑の男はリスベールには目もくれず、ノシッノシッとアインの方へ向かって歩いてきた。
アイン「く、来るな…!来るなよぉ!!」
アインが後ずさりする。男は無言でどんどん近づいてくる。
アイン「うぁぁぁ!」
アインは腰が抜けてしまい、立ち上がれずにただ、ズリズリと後ろに下がることしか出来なかった。カランッと不意に、右手にあの剣が当たる。アインはそれを握って振り回し、なおも後ずさりした。男は立ち止まり、剣を指さした。
黒甲冑の男「それを寄越せ。そうすれば見逃してやる。女は殺すがな。」
アイン「っ…!(これを渡せば…生き残れるのか…?だけど…でも…!これを渡したら…。)」
黒甲冑の男「どうした、早く寄越せ。俺の気が変わらぬうちにな。」
男がなおも催促するが、アインはそれには答えなかった。黒甲冑の男は剣を握り、さらに聞いてきた。
黒甲冑の男「貴様…死にたいのか?早くそれを渡せ。殺すぞ。」
アイン「い…いやだ…。」
黒甲冑の男「なんだと?今貴様、なんといった
?」
男の質問に、アインは叫んで答えた。。
アイン「嫌だ!!」
声と同時にヒュンッと短剣が飛んできて、黒甲冑の男の首に、刺さった。
「よく……言った…。リスベールのことは…任せるぞ…アイン。」
それを投げたのは、倒れていたはずのデューイだった。