スペル
アイン「ん…ぁ…。」
チュンチュンと小鳥がなく声がする。
アイン「え!?もしかして…夢だったのか…?」
アインは図書館にいた。目の前には、開かれた白紙の本がありヨダレのあとがついていた。
アイン「あちゃ…読んだまま寝ちゃったのか。ヨダレのあとが。」
つぶやきながら、アインはゴシゴシと服の裾で拭いてみるが、乾いてしまってよだれの跡は取れない。
アイン「はぁ…でもほんと、夢でよかっ…」
アインが言い終わらないうちに、図書館が燃えだし、すべてが炎に包まれる。そして、白紙の本が真っ黒に染まり、そこから黒騎士の声が聞こえてきた。
黒騎士「くくく…くはははは…!時雨を渡せ…さもなくば、殺す……!!」
目の前に、突如黒騎士が現れ、切りつけてくる。アインは真っ二つに切られて、血だまりの中に沈んでいった……
ガバッと起き上がる。目の前の景色は昨日と同じまま、どうやら、先程のは夢だったようだ。
アイン「元の世界に戻れたと思ったのに…。」
ため息をつき、起き上がる。改めて周りを見ると、小さな板を敷き詰めた床の上に寝ていたことがわかった。右手の方に剣が2本立てかけてあった。
アイン「誰がこれを…?リスベールさんかな…?」
「よう。起きたのか。」
横から声がした。隣を見ると、尖った耳に短い金髪の女がまるで添い寝でもしてたかのようにおきあがり、こちらを見つめていた。
アイン「なっ…なっ…!えっ!?」
「あー、朝からうるさいなぁ。頭痛いだろーが。」
ペシペシと叩きながら、女はアインに言った。アインは訳が分からず、困惑顔で女を見つめていた。アインが見てるとわかると、とたんに女は顔を赤くし、そっぽを向いた。
「ばっ…あんまこっち見んなっ…恥ずいだろ。」
アイン「……え?」
「こっち見つめんなよ…昨日の今日なんだからよ。」
モジモジとしながら、女はアインに言った。女は布の服に皮のズボンという簡素な格好だった。アインは真っ青になり、慌てながら聞いた。
アイン「え!?もしかして、致したってこと!?そんなバカな!!」
「…………。」
女は何も答えず、ただそっぽを向いていた。横顔のほっぺが、かすかに紅を帯びていた。とたんにアインは土下座し、謝った。
アイン「ごめんなさいいい!!!覚えてないです!!というか!記憶が少し飛んでて!」
女はケラケラと笑うと、アインの頭をバシーンッと叩いた。アインは訳が分からず、さらに困った顔になる。
「うっそだよー!バッカだなーお前。看板の近くに倒れてたからキャンプに連れてきてやったんだよ。」
アイン「あ、あぁ…。なんだ、そうだったんですか。焦りました…ほんとに…。」
「敬語とかお前。使わなくていいぞ、俺はナランハ。よろしくな。」
ナランハと名乗る女は、笑いながら右手をアインに差し出した。アインもしてやられた顔で手を握り返した。
アイン「ナランハ、よろしく。でさ、女剣士を見なかった?」
ナランハは笑うのをやめ、真顔になり、アインを見つめた。
ナランハ「金光のリスベールのこと?彼女はやばい。やめとけ。故郷の村を滅ぼされて怒り狂ってる。」
アイン「リスベールさん…。って、なんで、村が滅ぼされたことを知ってるの?」
アインが戸惑いつつ尋ねると、ナランハはニッコリと笑い、右手をグーの状態で差し出した。
チュンチュンと小鳥がなく声がする。
アイン「え!?もしかして…夢だったのか…?」
アインは図書館にいた。目の前には、開かれた白紙の本がありヨダレのあとがついていた。
アイン「あちゃ…読んだまま寝ちゃったのか。ヨダレのあとが。」
つぶやきながら、アインはゴシゴシと服の裾で拭いてみるが、乾いてしまってよだれの跡は取れない。
アイン「はぁ…でもほんと、夢でよかっ…」
アインが言い終わらないうちに、図書館が燃えだし、すべてが炎に包まれる。そして、白紙の本が真っ黒に染まり、そこから黒騎士の声が聞こえてきた。
黒騎士「くくく…くはははは…!時雨を渡せ…さもなくば、殺す……!!」
目の前に、突如黒騎士が現れ、切りつけてくる。アインは真っ二つに切られて、血だまりの中に沈んでいった……
ガバッと起き上がる。目の前の景色は昨日と同じまま、どうやら、先程のは夢だったようだ。
アイン「元の世界に戻れたと思ったのに…。」
ため息をつき、起き上がる。改めて周りを見ると、小さな板を敷き詰めた床の上に寝ていたことがわかった。右手の方に剣が2本立てかけてあった。
アイン「誰がこれを…?リスベールさんかな…?」
「よう。起きたのか。」
横から声がした。隣を見ると、尖った耳に短い金髪の女がまるで添い寝でもしてたかのようにおきあがり、こちらを見つめていた。
アイン「なっ…なっ…!えっ!?」
「あー、朝からうるさいなぁ。頭痛いだろーが。」
ペシペシと叩きながら、女はアインに言った。アインは訳が分からず、困惑顔で女を見つめていた。アインが見てるとわかると、とたんに女は顔を赤くし、そっぽを向いた。
「ばっ…あんまこっち見んなっ…恥ずいだろ。」
アイン「……え?」
「こっち見つめんなよ…昨日の今日なんだからよ。」
モジモジとしながら、女はアインに言った。女は布の服に皮のズボンという簡素な格好だった。アインは真っ青になり、慌てながら聞いた。
アイン「え!?もしかして、致したってこと!?そんなバカな!!」
「…………。」
女は何も答えず、ただそっぽを向いていた。横顔のほっぺが、かすかに紅を帯びていた。とたんにアインは土下座し、謝った。
アイン「ごめんなさいいい!!!覚えてないです!!というか!記憶が少し飛んでて!」
女はケラケラと笑うと、アインの頭をバシーンッと叩いた。アインは訳が分からず、さらに困った顔になる。
「うっそだよー!バッカだなーお前。看板の近くに倒れてたからキャンプに連れてきてやったんだよ。」
アイン「あ、あぁ…。なんだ、そうだったんですか。焦りました…ほんとに…。」
「敬語とかお前。使わなくていいぞ、俺はナランハ。よろしくな。」
ナランハと名乗る女は、笑いながら右手をアインに差し出した。アインもしてやられた顔で手を握り返した。
アイン「ナランハ、よろしく。でさ、女剣士を見なかった?」
ナランハは笑うのをやめ、真顔になり、アインを見つめた。
ナランハ「金光のリスベールのこと?彼女はやばい。やめとけ。故郷の村を滅ぼされて怒り狂ってる。」
アイン「リスベールさん…。って、なんで、村が滅ぼされたことを知ってるの?」
アインが戸惑いつつ尋ねると、ナランハはニッコリと笑い、右手をグーの状態で差し出した。