スペル
加速化への形態変化が済み、ストーンブロッキンは凄まじい速度でナランハの影の球体を叩き始めた。あたりにはドドドドド…!とまるで地震のような音が響きわたる。


ナランハ「ぐあああ…!くっ……そ…!まだまだぁ…!」


まるで岩をぶつけられているかのような痛みがナランハに走る。必死に耐えているナランハの球体にビキビキッとひびが入る。アインが同時に球体の近くへたどり着いた。


アイン「ナランハ!着いたよ!」


ナランハ「よくやったぞ!アイン!影を用いて闇を断つ。影より至りて影に還らん。スキル・影刀九突!」


ナランハの影の球体がほどけ、九つの剣になり、ストーンブロッキンの腕に突き刺さる。


ストーンブロッキン「グオオオオオ…!」


ストーンブロッキンが声を上げ、攻撃の手が止まる。その隙をつき、アインが女の子を抱えて逃げる。無事、町の入口付近まで届けるとアインは女の子を地面にそっと置き、ナランハの元へと戻る。


ナランハ「ちっ、少し怯ませるのがやっととはな。アイン、逃げてもいいんだぜ?部が悪すぎるからな。」


ナランハはいつの間にか影のスキルを解いていた。アインはナランハを見て首を横に振り、言った。


アイン「俺はもう見捨てないって逃げないって決めたんだ。だから、一緒に戦わせて。」


ナランハ「はぁー…ったく、スキルも使えねぇくせに変に心意気だけはしっかりしやがって。死ぬなよ!行くぜ!アイン!」


アイン「うん!ナランハ!!」


2人はストーンブロッキン目がけて駆けた。


ナランハ「アイン!俺がやつの動きを縛る!ああいうタイプの魔物には、体のどこかにコア…心臓部があるはずだ!探してたたっ切れ!」


アイン「わかった!!」


ナランハ「影に限りなく、無限の型により、敵を縛る!スキル・縛ル影!」


ナランハから伸びた影がストーンブロッキンの体中に黒い線をつけながら這い回る。途端にストーンブロッキンの体の動きが鈍くなる。


アイン「コアはどこだ!?」


アインは必死になってコアを探した。


ナランハ「まだ…か!?アイン!そろそろやばいぞ!」


ナランハが声を必死に絞り出し、叫ぶ。アインは焦りながらストーンブロッキンの周りを回りながら見るが、コアが見つからない。


アイン「コアが!!見つかんない!」


ナランハ「あぁ!?何だと!?…そいつは人間型だ、もしかしたら胸のしたかもしれねぇ!胸部分の岩をぶっ壊してみろ!」


アイン「うおおお!!くだけろおおお!!」


アインが力いっぱい剣を振り上げ、胸を切った。ストーンブロッキンはとてつもなく大きな悲鳴をあげると、胸元の岩が崩れさり、コアが露出した。


ナランハ「でた!切れ!!」


アイン「うおあああ!!!」


ズシャッという音ともに、ストーンブロッキンのコアが真っ二つになり、赤い液体が飛び散った。



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