スペル
ギルド長「あらら、バレちゃったか。」
先ほどのアインとかいう少年がこちらに向かって歩いてくる。その様子を細目で見ながら思案する。
ギルド長「うーん…。(今会うのは、なーんか照れるなぁ。自己責任なんだけど。)よし!」
いい考えが頭に浮かんだギルド長は、ポンッと手を打ち、両手を広げ詠唱を始める。
ギルド長「心を見通し、嘘を混ぜる。見える像に幻を与えて、隠したまえ。スキル・幻隠」
詠唱が終わると、ギルド長の体がスーッと薄くなり、透明になってしまった。
アイン「あれっ!?」
目線の先で突然女の人が消えた。キョロキョロと周りを見てはみるものの、見つからない。
アイン「そういえば。」
消える前になにか唱えていたような素振りを見たのを思いだし、ざわざわとする人混みの中を通り抜けて先程まで立っていた場所へ向かう。
ギルド長「(お、いい感してるねー!有望株かな?)」
アイン「うーん、やっぱいないなぁ。」
ギルド長「(ありゃ?消えたのを見ただけかな?むむぅ…ヒント、あげようかな。)」
ギルド長の目付きが変わり、ピリッと張り詰めた空気が放たれる。
アイン「(居る!確かにここに、居る!)」
目の前で突然威圧感が放たれたのを感じて、目の前にギルド長がいることを確信した。ドキドキと高鳴る心臓を抑えつつ、恐る恐る声をかける。
アイン「あ、あの、そこにいます、よね?」
ギルド長「ほぉー?君、威圧を感じれるってことは相当レベル高いんだね?ギルド、入りたいの?」
アイン「レベル…そんなに高くない、ですよ。俺、1ですし。ギルドは入りたいです!」
ギルド長「レベル1?…もちろん、嘘だよね?」
アイン「嘘じゃないですよ?」
ギルド長「…腕、出して。」
ギルド長に言われ、右腕を差し出す。ギルド長はポケットをまさぐると、ナランハのつけていたものに良く似たリストバンドを取り出した。
ギルド長「君のギルド加入は認めてあげる。ステータスカードは後で受付の子からもらってね。その前に…嘘ついてないから調べるから。」
頷くと、右腕にリストバンドを付けられる。そして、ギルド長が腕をかざすと青い光とともにゲームのメニューのようなものが現れた。慣れた手つきでそれを弄ると、アインの詳細ステータスが表示された。
ギルド長「ふむ。基礎ステータスは本当に低いわね、そしてレベルも1、か。10はないと感じられないはずなのにな…。」
ギルド長が呟きながら、ステータスを見ていく。と、黒く塗りつぶされた項目を見つけた。
ギルド長「ねぇアイン君、ここにはさ。」
ここ、と言いつつ黒く塗りつぶされた所を指さす。
ギルド長「所持スキルが書かれるはずなんだけどさ、なんで黒く塗りつぶされてるの?」
アイン「わ、わからないです。」
ギルド長「そっか、わかった!登録は認めるよ、早く受付に行っといで。」
言われ、ステータス画面を閉じると、ギルド長に背中を押された。困惑しながらも、受付を探しに行く。…ギルド長は閉じる前に、一つのスキルを使った。スキルの一つ、スピート。その効果は対象物を自分と掛けられた本人以外の者に見えなくするスキル。
ギルド長「彼は怪しい。何かを隠し…いや、隠されてるきがする。彼を、調べてくれるね?」
ギルド長が受付へと向かうアインの背中を眺めながら、そうつぶやく。すると、右手の方にスーッと白銀の鎧を身につけ、頭に白い包帯を巻いた者が現れる。
白包帯「了解だ。ラズ。俺もあいつはやばい気がする。塗りつぶされた項目など、みたことないからな。」
ギルド長/ラズ「うん、ありがとう。彼、君には気づいてなかったみたいだから多分大丈夫でしょ。けど、充分に気をつけてね。」
白包帯「ああ。」
白包帯はそう言うと、パンッと太もものあたりを叩く。すると、体がスーッと消えていった。
ギルド長/ラズ「(さてさて、彼は一体何者なのかな。)」
ラズは楽しそうにパチパチと手を打つと、またお盆を手に、酒場の方へ向かった。
先ほどのアインとかいう少年がこちらに向かって歩いてくる。その様子を細目で見ながら思案する。
ギルド長「うーん…。(今会うのは、なーんか照れるなぁ。自己責任なんだけど。)よし!」
いい考えが頭に浮かんだギルド長は、ポンッと手を打ち、両手を広げ詠唱を始める。
ギルド長「心を見通し、嘘を混ぜる。見える像に幻を与えて、隠したまえ。スキル・幻隠」
詠唱が終わると、ギルド長の体がスーッと薄くなり、透明になってしまった。
アイン「あれっ!?」
目線の先で突然女の人が消えた。キョロキョロと周りを見てはみるものの、見つからない。
アイン「そういえば。」
消える前になにか唱えていたような素振りを見たのを思いだし、ざわざわとする人混みの中を通り抜けて先程まで立っていた場所へ向かう。
ギルド長「(お、いい感してるねー!有望株かな?)」
アイン「うーん、やっぱいないなぁ。」
ギルド長「(ありゃ?消えたのを見ただけかな?むむぅ…ヒント、あげようかな。)」
ギルド長の目付きが変わり、ピリッと張り詰めた空気が放たれる。
アイン「(居る!確かにここに、居る!)」
目の前で突然威圧感が放たれたのを感じて、目の前にギルド長がいることを確信した。ドキドキと高鳴る心臓を抑えつつ、恐る恐る声をかける。
アイン「あ、あの、そこにいます、よね?」
ギルド長「ほぉー?君、威圧を感じれるってことは相当レベル高いんだね?ギルド、入りたいの?」
アイン「レベル…そんなに高くない、ですよ。俺、1ですし。ギルドは入りたいです!」
ギルド長「レベル1?…もちろん、嘘だよね?」
アイン「嘘じゃないですよ?」
ギルド長「…腕、出して。」
ギルド長に言われ、右腕を差し出す。ギルド長はポケットをまさぐると、ナランハのつけていたものに良く似たリストバンドを取り出した。
ギルド長「君のギルド加入は認めてあげる。ステータスカードは後で受付の子からもらってね。その前に…嘘ついてないから調べるから。」
頷くと、右腕にリストバンドを付けられる。そして、ギルド長が腕をかざすと青い光とともにゲームのメニューのようなものが現れた。慣れた手つきでそれを弄ると、アインの詳細ステータスが表示された。
ギルド長「ふむ。基礎ステータスは本当に低いわね、そしてレベルも1、か。10はないと感じられないはずなのにな…。」
ギルド長が呟きながら、ステータスを見ていく。と、黒く塗りつぶされた項目を見つけた。
ギルド長「ねぇアイン君、ここにはさ。」
ここ、と言いつつ黒く塗りつぶされた所を指さす。
ギルド長「所持スキルが書かれるはずなんだけどさ、なんで黒く塗りつぶされてるの?」
アイン「わ、わからないです。」
ギルド長「そっか、わかった!登録は認めるよ、早く受付に行っといで。」
言われ、ステータス画面を閉じると、ギルド長に背中を押された。困惑しながらも、受付を探しに行く。…ギルド長は閉じる前に、一つのスキルを使った。スキルの一つ、スピート。その効果は対象物を自分と掛けられた本人以外の者に見えなくするスキル。
ギルド長「彼は怪しい。何かを隠し…いや、隠されてるきがする。彼を、調べてくれるね?」
ギルド長が受付へと向かうアインの背中を眺めながら、そうつぶやく。すると、右手の方にスーッと白銀の鎧を身につけ、頭に白い包帯を巻いた者が現れる。
白包帯「了解だ。ラズ。俺もあいつはやばい気がする。塗りつぶされた項目など、みたことないからな。」
ギルド長/ラズ「うん、ありがとう。彼、君には気づいてなかったみたいだから多分大丈夫でしょ。けど、充分に気をつけてね。」
白包帯「ああ。」
白包帯はそう言うと、パンッと太もものあたりを叩く。すると、体がスーッと消えていった。
ギルド長/ラズ「(さてさて、彼は一体何者なのかな。)」
ラズは楽しそうにパチパチと手を打つと、またお盆を手に、酒場の方へ向かった。