スペル
初戦闘
「ふぅ。やっぱこの本、なかなか面白いな。」
ここはサダン地方ムルス国の王立図書館。一人の制服姿の少年が大きめの本を手に机に座り、読みふけっていた。本の背表紙には「夢幻世界ロストアウンテルス」と書かれていた。少年がふと窓の外を見ると、外はすっかり日が落ちて暗くなっており、刻一刻と閉館時間が迫っていた。
「もう暗いな…。そろそろ帰ろうかな。」
少年は立ち上がり、本を棚にしまうと、帰り支度を始めた。すると、館内放送が入った。
「図書館の閉館時間となりました。鍵が掛かりますので、今すぐ退館してください。」
「おっと、やばいやばい。」
少年は机の上に広げていた荷物をリュックにしまうと、外へ出るために、出口に向かった。
ガチャガチャ…。
「あれ?扉があかない…。もしかしてもう鍵かかっちゃった!?しまったなぁ…今日はここで泊まるしかないかな…。」
少年はあたりを見回す。図書館はすべての電気が落とされ、真っ暗になってしまっていた。窓には鍵がかかっており、出ることも出来ない。少年は怖さを覚えつつ、もといた席へと戻った。
「やっぱり…。怖いな、帰りたい。夜の図書館って不気味だな。」
少年は怯えつつ、机に伏せて、目を瞑り、寝ようとした。不思議とすぐ眠りの世界へ連れていかれた。
「起きて、起きて。」
図書館の司書だろうか、少年を起こす声が聞こえた。
「んー…。まだ、眠いよ…。」
「起きて」
「やー…だー…。」
「起きろ!起きなさい!」
少年は耳元で突然叫ばれ、驚いて飛び起きる。
「何!?何があったの!?」
「おはよう?あなた、マルロスの森で寝るなんて…死にたいの?ここは、怪物が出るのよ?」
少年の目の前には、金髪でエメラルドグリーンの瞳をもった女の人が胸当てをつけ、剣を腰に差して立っていた。
「君、名前は?私はリスベール。ギルドの者よ。」
女の人は声をかけながら、手を差し伸べてきた。少年は戸惑いながらも自己紹介に応じようと、口を開いた。
「俺は…アイン。よろしく、リスベールさん。ところでさ、リスベールさん。ギルドって何?そしてここはどこ?なんで俺森の中にいるの?」
リスベール「あなた…何を言っているの?ここはマルロスの森よ?ギルドを知らないってことは依頼じゃないのね。もしかして、森に迷い込んじゃった?」
アイン「た、多分そうだと思う。でも確かに図書館にいたはずなのに…。」
リスベール「え!?図書館があるのは首都バレルカンタくらいよ??あなたそこから歩いてここまで来たの?」
アイン「バレルカンタ…?ここはムルス国じゃないの?」
リスベール「ムルス国…聞いたことないわね…。もしかしてあなた、人型の魔物なのかしら?」
リスベールは腰の剣に手をかけて、今にも斬りかかりそうだ。あまりの威圧感にアインは驚き、倒れて尻餅をついた。
アイン「な、何をする気ですか…。」
リスベール「ふむ、態度を見るに、魔物ではなさそうね、貴方は一体…。」
その時、近くの草むらガサガサっと音がして、猪の体に鹿の角が生えた化物が飛び出してきた。
リスベール「ウォルフ!?あなた、丸腰よね!?早く逃げなさい!この魔物は…。」
リスベールが言い終わらないうちに、他の草むらから次々とウォルフが飛び出してきた。
ここはサダン地方ムルス国の王立図書館。一人の制服姿の少年が大きめの本を手に机に座り、読みふけっていた。本の背表紙には「夢幻世界ロストアウンテルス」と書かれていた。少年がふと窓の外を見ると、外はすっかり日が落ちて暗くなっており、刻一刻と閉館時間が迫っていた。
「もう暗いな…。そろそろ帰ろうかな。」
少年は立ち上がり、本を棚にしまうと、帰り支度を始めた。すると、館内放送が入った。
「図書館の閉館時間となりました。鍵が掛かりますので、今すぐ退館してください。」
「おっと、やばいやばい。」
少年は机の上に広げていた荷物をリュックにしまうと、外へ出るために、出口に向かった。
ガチャガチャ…。
「あれ?扉があかない…。もしかしてもう鍵かかっちゃった!?しまったなぁ…今日はここで泊まるしかないかな…。」
少年はあたりを見回す。図書館はすべての電気が落とされ、真っ暗になってしまっていた。窓には鍵がかかっており、出ることも出来ない。少年は怖さを覚えつつ、もといた席へと戻った。
「やっぱり…。怖いな、帰りたい。夜の図書館って不気味だな。」
少年は怯えつつ、机に伏せて、目を瞑り、寝ようとした。不思議とすぐ眠りの世界へ連れていかれた。
「起きて、起きて。」
図書館の司書だろうか、少年を起こす声が聞こえた。
「んー…。まだ、眠いよ…。」
「起きて」
「やー…だー…。」
「起きろ!起きなさい!」
少年は耳元で突然叫ばれ、驚いて飛び起きる。
「何!?何があったの!?」
「おはよう?あなた、マルロスの森で寝るなんて…死にたいの?ここは、怪物が出るのよ?」
少年の目の前には、金髪でエメラルドグリーンの瞳をもった女の人が胸当てをつけ、剣を腰に差して立っていた。
「君、名前は?私はリスベール。ギルドの者よ。」
女の人は声をかけながら、手を差し伸べてきた。少年は戸惑いながらも自己紹介に応じようと、口を開いた。
「俺は…アイン。よろしく、リスベールさん。ところでさ、リスベールさん。ギルドって何?そしてここはどこ?なんで俺森の中にいるの?」
リスベール「あなた…何を言っているの?ここはマルロスの森よ?ギルドを知らないってことは依頼じゃないのね。もしかして、森に迷い込んじゃった?」
アイン「た、多分そうだと思う。でも確かに図書館にいたはずなのに…。」
リスベール「え!?図書館があるのは首都バレルカンタくらいよ??あなたそこから歩いてここまで来たの?」
アイン「バレルカンタ…?ここはムルス国じゃないの?」
リスベール「ムルス国…聞いたことないわね…。もしかしてあなた、人型の魔物なのかしら?」
リスベールは腰の剣に手をかけて、今にも斬りかかりそうだ。あまりの威圧感にアインは驚き、倒れて尻餅をついた。
アイン「な、何をする気ですか…。」
リスベール「ふむ、態度を見るに、魔物ではなさそうね、貴方は一体…。」
その時、近くの草むらガサガサっと音がして、猪の体に鹿の角が生えた化物が飛び出してきた。
リスベール「ウォルフ!?あなた、丸腰よね!?早く逃げなさい!この魔物は…。」
リスベールが言い終わらないうちに、他の草むらから次々とウォルフが飛び出してきた。