信じさせて


去り際にふとあの子と目が合った

そして少し口角を上げて頷いたのだ


え…?私が逃げても怒らないの?
なんで………………
わざわざ声までかけて…





そう思ったら考えるより先に体が動いていた
ギャルの輪に近づきぱっとその子の手を取る

「その子を離して。相手は私でしょう?」


そこにいた全員が驚いた顔で私を見た

「走るよ。」

私は低く囁いてつないだ手を引っ張る

「えっ…」

初めて聞くその子の驚いた声
私は返事なんか無視して手をつないだまま走り去った…



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