信じさせて




「関係なくなんてないですよ。私、氷上さんのことずっと前から知ってましたから。」

知ってた?この私を?なんで…
……ああ、そっか
一年のころから噂は流れてたもんね


彼氏を盗んでいくっていう噂…
噂じゃなくて事実だけれど





そんな私の表情を読み取ったのか彼女は静かに言った

「去年の冬に私が落としたノート拾ってくれましたよね。いつかお礼言おうって思ってました。」

そんなことあった?
覚えてない…



「覚えて…ないですよね…。私2組の榎本爽子です」

2組?同じクラス!

「同じクラス?今日見た覚えないんだけど…」

今のはまずい…
明らかに影薄いみたいないい方して
ほら、うつむいちゃったし


「ご、ごめ…」



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