不良少女
「いや、俺登ることくらいできるんで」
凛はキッとハゲを見下す。
「親御さんからお願いされたんだ。
だから、一緒に来てもらうよ」
ズルっとはんば引きずるように凛を動かそうとするけど、意味がないようでビクともしない。
「俺、1人とか無理なんで」
「誰がハゲと密室に入りたいなんて言うんだ、ボケ」と小声で毒舌を吐き、凛は舌打ちを鳴らす。
「1人くらいならスロープで行ってもいいって理事長から了承は得てる」