不良少女
山登り 1
星夜side
「どうするー?」
山の中だからか、無駄に僕の声が聞こえる。
あー、鬱陶しくて耳に触るなぁ。
「あ? お前の頭は飾りか。
言ったろ、俺は1番にコテージに着くってだから、もちろんこっちに決まってんだろ」
今、僕とマオくんが話しているのは、
右の亀道っていうゆったり長い距離か、左の豹道でハードな短い距離のどっちから行くかということについてだ。
言い合いが煩かったのか、いつもは結果待ちのリカちゃんが「豹道でいい」って、僕らの口論に結論を出してくれる。