不良少女
「勇希…
私、山って言ってもあんまりいい思い出ないんだよねー。
だからさ、楽しい思い出を作ってね。
期待してるから」
冷たくしたってもう遅い。
完璧に懐かれてしまっている。
『りーちゃん…!
ごめんね、気にしないでね』
少女は泣きながら必死に笑顔を作って山から落ちていく。
そこでプツリと切れる記憶はもはや悪夢で、私は星夜の返事も聞かず倒れこんでしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ…!」
息が荒くなって、息をするのが苦しくなっていく。