不良少女


「だから違うって。

別に私達は喧嘩とかしないから」


もう喧嘩はしていない。

ちょっと遊んでいるだけだ。


誰かが傷つくのはもう見たくないから。


「沖田 綾斗 (あやと)。

お前もよく知ってるだろ?」


胸がザワザワと嫌な音を立てる。

どうして、沖田が綾斗さんの事を?

まさか…


「沖田… あんた綾斗さんの親族?」


綾斗さん… 私がこの世で1番憎い相手。

いや、1番ではない。

2番目だ。


あの人は罪の意識を絶ちたくて逃げた、いや私にその罪をなすりつけたのだ。

あの人は私の信頼を裏切った。
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