不良少女


「凛の面倒見てくれてありがとう。

でも、もうほっといてくれていいから」


無機質な目で凛くんのことを見る彼女は何だか悲しそうだった。


「マオ、凛を運ぶの手伝ってくれる?」


「あ、あぁ」


「この詫びはいつかするから」


彼女は凛くんを見て少し疲れたような顔をする。


「宮島、今日は私の部屋で寝て。

私は凛の看病しないとダメだから」


彼女は我慢しかしたことがなくて、甘えることなんてできないんだって直感的に思った。
< 260 / 292 >

この作品をシェア

pagetop